意外な大物が潜む東浜の船溜まりの中波止場
今回紹介する東浜の船溜まりの真ん中に位置する波止はこちらです。
ここは案外マニアックな釣り人が、入れ替わり立ち代わりやって来るのですが、あまり大物を釣ったのを見たことがないはず。
この波止は、釣れる時間帯と潮位と釣り方如何では天国と地獄ほどの差が出るポイントでもあるんです。
まずはお手軽な落とし込み釣りなのですが、よほどの強運にでも恵まれない限り、なかなか大物には出会えません。
それには理由があって、ここの防波堤の構造上の問題が絡んできます。
この防波堤は博多湾の各埠頭の壁面のようにストレートに海底に延びているのではなく、オーバーハング状態になっていて防波堤の壁面スレスレを狙うことが出来ないからなのです。
なので、壁面から離れて泳いでいるセイゴクラスばかりがやたらと釣れますが、メイタ~チヌ、キビレなどは海底で小物が釣れる程度で、中層で良型が釣れることはかなり珍しいパターンなはずです。
この中波止には間違いなくメイタ~チヌやキビレの大型が付いているはずなのですが、落とし込み釣りで狙えるポイントは先端部分と角の部分に限られています。
もちろん例外的に他の部分でアタることもありますが、超がつくほどレアなケースです。
海底付近で釣れるのは、メイタやキビレの当歳魚や20センチ程度のセイゴ、ハゼ、ウロハゼ、トンマと言ったお馴染みの小物が多いのも特徴です。
東浜船溜まりの中波止で大物を釣り上げるコツとは?
この中波止で大物を狙うコツはズバリ、
1 潮位が高い満潮付近で狙うこと
2 船の往来がなくなる夜に狙うこと
3 ウキ釣りで狙うこと
の3つに集約されます。
どの一つが欠けても、大物はなかなか望めません。
もちろんこれは原則ですから、例外もあります。
狙うポイントも決まっています。
波止の先端部分の竿1本以内の部分とまっすぐ直進して水銀灯が立っているところからやはり竿1本分の範囲です。
この2つのポイントが、最有力候補です。
もちろん真ん中部分の内側や外側でもアタることがありますが、まずは先端周辺と角地周辺をウキで流すのが定石です。
ルアーシーバスやヒイカエギングは全方位
御笠川の河口付近と言うこともあり、シーバスが多いポイントであることは間違いありません。
どこが狙い目ということもなく、その日その日によって条件は千差万別ですからこの中波止場に関しては、外側・内側共に全方位で狙うしかありません。
もちろん波止に沿ってルアーをトレースする狙い方は、必ず試す価値があります。
近年注目される晩秋から小さなエギで釣るヒイカですが、この中波止はヒイカファンには知れたる一級ポイントです。
水深もそれほど深くないので、狙いやすいポイントですから、海底でエギを動かすだけでかなり釣れます。
ヒイカを狙う釣り人には欠かせないマストポイントの一つです。
忘れられない思い出がある東浜の中波止
6月の夕方に、中波止先端部分で4人の青年がルアーフィッシングをしていました。
恐らく中古釣具でタックルを揃えたと思えるような感じのタックルで、ナイロンラインを巻いたかなり古いスピニングリールと中古だと1本1000円もしないぐらいのロッドを使い、ナイロンラインにはリーダーも何もつけずにメタルバイブ直結という状態でルアーを投げていました。
驚くことに一人の青年は、竿先が40センチぐらい折れてなくなったロッドで、ルアーを投げて魚を釣っていました。
その竿先が折れたタックルを使っていた青年の方が私に「この魚はなんですか?」と、バケツに入った活きた魚を持ってきたのです。
それを見て、私はビックリ!
バケツの中に、多少折り曲がって入って生きていた魚は、50センチ近い肉厚のヒラメだったんです。
博多湾奥のこんなところに、こんな立派なヒラメが潜んでいることに、驚かされました。
他の3人の青年も、福岡市のごみ袋の中に、60センチオーバーのシーバスを2匹入れていました。
「ルアーで釣れますか?」と私が尋ねると、ニコニコしながら福岡市のごみ袋の方を指さしていました。
彼らの釣り方をしばらく眺めていますと、メタルバイブが着底すると、ゆっくりとリールを巻いて、底付近のレンジキープをしながらただ巻きをしていました。
釣りは、タックルで決まるわけではないことを、つくづく感じさせられました。
ワイワイはしゃぎながら、楽しそうに釣りを楽しんでいた彼らの姿が忘れられません。
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