博多弁での魚の名前を解説!

魚の雑学

転勤族の方、ビギナーの方必見!「博多での魚の呼び方」

福岡市内のスーパーで「マビキ」という名の魚が刺身などで売られていますが、博多弁で「マビキ」という名の魚が一体何の魚かご存知でしょうか?

この切り身を見ただけで、「マビキ」と分かる人はほとんどいないと思われます。

ちなみに、「マビキ」とはシイラのことです。

ハリに掛かってからのパワーは圧巻で、万力(マンリキ)というところからマビキになったと云われています。鮮度の良いものは非常に美味しく、釣りたてのシイラの刺身は絶品だと云われています。

また、釣り船で最近釣れている釣りモノを船長さんや釣り人に尋ねてみると、「ボッコ、アオナ、タカバ・・」などという魚の名前が言われますが、県外から引っ越してきた方だけではなく、福岡市で生まれ住んでいても、魚に興味がない方は生涯知ることもないと思われます。

博多弁で「ボッコ、アオナ、タカバ・・・」とは、釣りをする方でもご存知ない方も多く、船釣りをする方でないとなかなか知られざる魚たちです。

ちなみに、博多弁での「ボッコ」とは体長が50センチ以上にもなる沖アラカブのことです。

釣人であっても、沖釣りをする方でないと、知られていない魚です。

では、博多弁での「アオナ」とは?どのような魚なのでしょう?

博多弁の「アオナ」とは、やはり沖釣りで釣れるアオハタのことです。

アオハタは、グルーパーの仲間ですから、とても美味しい魚です。

それでは、博多弁で云う「タカバ」とはどのような魚なのでしょうか?

博多弁の「タカバ」とは、こちらの魚です。

博多弁の「タカバ」とは、マハタのことで、これまたグルーパーの仲間ですから、美味しくないわけがございません。

ついでに、博多で言うアラ鍋の「アラ」とは、学名のアラではありません。

博多で言う「アラ」とは学名クエのことで、最大級(約1.5m・50kg)に成長した個体の推定年齢は40歳前後だと言われています。 クエは、他のサカナと比べ成長スピードが遅く、1年で15cm程度しか成長しないと云われており、1キロ当たり1万円ぐらいはする高級魚です。

近年釣りファンが増えてきているグルーパーの一種が「アコウ」です。

博多で言う「アコウ」は、学名キジハタと云います。

「アコウ」も、「アラ」「タカバ」に負けず劣らず美味しい魚です。

おかっぱりから釣れる魚を博多弁で紹介

沖釣りで釣れる魚は、博多で生まれ育った方も知らない方が多いので、一般的におかっぱりなどから釣れる博多弁での魚の名前を紹介します。

さてこの魚を博多弁で何と呼ぶか、ご存知でしょうか?

この魚は関東ではメジナ、関西ではグレと呼ばれますが、福岡市近郊ではクロと呼ばれます。

関西では高級魚として好まれるベラは「ギザミ」と呼ばれて、福岡市近郊ではあまり好む方はいません。

東京では「天ぷら魚」として1匹1000円もするギンポは、博多では「ナッキリ」と呼ばれますが、福岡では魚市場にも出荷されず魚屋さんで売られることもほとんどありません。

関東ではイナダ、ワラサと呼ばれ、関西ではハマチと呼ばれるブリの幼魚は、博多では「ヤズ」と呼ばれます。

ジギングで人気のカンパチの幼魚のことを博多では「ネリゴ」と呼びます。

泳がせ釣りやジギングで大人気のヒラマサですが、博多ではヒラスと呼ばれ、幼魚はヒラゴと呼ばれます。

関東ではイシダイの幼魚のことをシマダイと呼びますが、博多ではサンバソウと呼びます。

学名ヒイラギはキスの外道として良く釣れますが、博多では「トンマ」と呼ばれており、好きな方と嫌いな方とに分かれる魚の一つです。

学名シロサバフグは、博多ではカナトフグと呼ばれ、シロサバフグよりもカナトフグと言う呼び名がメジャーです。

マダイの幼魚は、博多では「チャリコ」と呼ばれ、親しみを込めて「チャーリー」と呼ぶ釣り人もいます。

博多では鰆(サワラ)の幼魚のことをサゴシと呼び、キビナゴをエサにしたウキ釣りやルアー釣りで狙う方が多いです。

博多では学名のカサゴよりも老若男女を問わずアラカブと言う名前が一般的で、カサゴと言っても知らない方が少なくありません。(笑)

関西特に淡路島の釘煮が有名なイカナゴは「カナギ」と呼ばれ、博多では好んで食べられる魚ですが、地球温暖化で玄界灘では近年激減し、全面禁漁となって久しい魚です。(涙)

クサフグのことを博多ではチイチイフグと呼び、釣り人からはエサは取るし、ハリを飲み込んで仕掛けは切るので嫌われ者ですが、膨らんだ姿はなかなか愛嬌があります。

夏が旬のイサキは、博多では「イッサキ」と呼ばれます。

エギングで大人気のアオリイカは、博多では「ミズイカ」と呼ばれます。

キスの投げ釣りなどでたまに掛かるタイワンガザミのことを博多では「コウヤガニ」と呼びます。

博多では、シロギスのことをキスゴと呼ぶご年配の方が多いのです。小さくなくてもなぜかキスゴなんです。

秋の味覚として、特にカニミソが好まれるモクズガニは、博多ではツガニと呼ばれています。

投げ釣りで釣れるイシモチのことを、博多ではグチと呼びます。

磯釣りでイシダイの外道として釣られるカンダイ(コブダイ)は、博多ではモブシと呼ばれます。

博多では、クロダイの幼魚のことをメイタと呼び、成魚のことをチヌと呼びますが、何センチぐらいまでがメイタで、何センチ以上がチヌと言うのかは人それぞれで、明確な線引きはありません。少なくとも人が釣れたら「立派なチヌですね!」と言っておけば、良いと思います。

「提供:福岡市」
スズメダイのことをあぶってかもと呼び、ウロコと内蔵が入ったままのものに塩まぶして焼いて食べます。左党にはお馴染みの逸品です。

大型のベラの仲間である学名イラのことを、博多ではハトポッポと呼びます。

居酒屋などでも刺身が食べれるウミヒゴイのことは、ヒゲがあるために博多ではオジサンと呼ばれています。

タカノハダイのことを、博多ではキコリと呼びます。

博多では、船から釣れるメダイのことをダルマと呼び、粘液が多い幼魚のことをハナタレと呼びます。

アカシタビラメのことを佐賀ではクツゾコと呼び、博多ではクッチョコと呼びます。

引きが強く、上手く捌けばとても美味しいアイゴは、博多ではバリと言いますし、小型の幼魚のことをバンチャゴと呼びます。むしろ博多では、バリの学名アイゴを知らない方のほうが多い様な気がします。

少なくとも私は、魚の名前(呼び名)は、その地方の文化であると思っています。

どうしてカサゴのことをアラカブと呼ぶようになったのかを探るだけで1冊の本ができるような気も致します。

だからこそ、博多弁での魚の呼び方は、親しみを込めて承継していくべきだとも思っています。

釣りをする方はもちろん、釣りをしない方も雑学のひとつとして覚えてくださると幸いです。

釣り魚の名前や生態は、釣り人にとっては絶対に必要な知識です。

釣った魚を調べる本釣り魚の料理の本は、持っておいても絶対に損しませんので、各1冊は揃えることをおすすめします。

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