博多弁だと魚の名前もエサの名前もよく分からない方必見
博多弁での魚の名前もさることながら、釣りに最も重要なエサの名前も博多弁とくれば、関東や関西から転勤してこられた方が困惑するのも無理はありません。
生粋の博多っ子でも、「釣りエサの岩デコば知っと~ね~?」と尋ねたら、たいていは「そげなもん・・・、知らんばい!!」と返事が返ってきます。
釣りをしない方、あるいは長年釣りをしている方でも、「釣りエサのパッチンば知っとる?」と尋ねますと、「何ね、それ~?」と、ご存じない方がほとんどです。^^;
パッチンとは、テッポウエビの総称で、河口のゴロタ石をはぐると、岩ガニと一緒に採れるエビの仲間です。
博多に生まれ育つと、幼い頃から聞いてきたことがある意味で標準語ですから、アオムシのことをアオイソメだとか、アオケブだとかアオゴカイなどと言われても、意味は分かっても違和感ありありです。^^;
博多では老若男女を問わずカサゴのことをアラカブと呼び、カサゴが学名であり、標準語であることを知る人のほうが少ないと思われます。^^;
なので、あなたが関東や関西から転勤してこられて、「玄界灘の旨いカサゴのお煮つけが食べたい!」と言っても、逆に「カサゴちゃ~何ね?」と尋ねられるのがオチです。
夏場に「アイゴが釣りたい!!」と言っても、悪気はないのですが、ていよく無視されると思います。博多の人間にとっては、アイゴなどという語彙を言うこともなければ、聞くこともないのです。一貫して「バリ」なんです。
アラカブとバリを知らない博多の釣り好きはいませんし、釣りが好きな方はカサゴであり、アイゴであることも知ってはいますが、普段使う言葉はやはりアラカブであり、バリなのです。
釣りエサに関しても、博多の釣り好きの多くは学名を知っています。
ですが、あえてそれを言わないのも博多の流儀です。
個人の釣具屋さんに行って、「イシゴカイください!」と言っても、「あんた、どこから来たとね~??」と不思議な顔をされるのがオチです。
言葉が文化であることを感じる瞬間でもあるはずです。
博多弁の釣りエサを覚えるのが博多の流儀?
博多の釣具屋さんで売られている生きた釣りエサの種類はそれほど多くはありません。
・アオムシ
・岩虫
・岩デコ
・モエビ
・タエビ
・岩ガニ
・豆ガニ
・カラス貝
・ドジョウ
・・・・ぐらいでしょうか?
冷凍ケースの中には、
・オキアミ
・サシアミ
・ダンゴ各種
・キビナゴの冷凍
・サビキのマキエとなるコマセアミ
・・・等々が売られています。
冷凍ケースの中にあるものに関しては流通経路を考えると全国的に共通しているものが多いことはお分かりなはずです。
問題は生きエサなのです。
博多弁での生き餌の名前
万能エサとして知られるアオイソメ、アオケブのことを博多ではアオムシと呼びます。
高価なイワイソメのことを岩虫と呼びます。地物と輸入物が売られていますが、地物は大潮周りでしか入手できないのが常識です。
関東でジャリメと呼ばれるイシゴカイのことを博多では岩デコと呼びます。キス釣りやメバル釣りの鉄板のエサです。
淡水産のスジエビのことを博多ではモエビと呼びます。
同じく淡水産のブツエビやミナミヌマエビのことをタエビ(田エビ)と呼んでメバル釣りに使います。
フクロイソメ(スゴカイ)のことを巣ムシとよびますが、60年ほど前に大岳海岸で近所の友達と採って以来、見たことがありません。
小型のクルマエビのことをサイマキと呼び、50年ほど前は博多沖防ではチヌやスズキ釣りの餌とされていたとの文献が残っています。
ヒライソガ二などのことを岩ガニと呼びます。
コメツキガニやチゴガニのことを豆ガニと呼び、チヌのエサにしていましたが、人工島(アイランドシティ)の埋め立て以来、博多の釣具屋さんで売られることはなくなりました。
厳密にはカラス貝、イガイの仲間は多いのですが、博多の黒鯛釣り師たちは大雑把に「カラス」と呼んでいます。
カラス貝を採るのはいろいろなモノがありますが、私の経験上、こちらが断然おすすめです。
写真のイガイ取りですと、取ったカラス貝の多くがさらわれて海中に落ちてしましますので、下にタモを用意しないといけなくなります。
右手でイガイ取りが付いたタモの柄を持ち、左手で海中に落ちそうになるカラス貝を掬おうとすると、バランスを崩して海に落ちそうになったことが幾度とあります。
釣りをする前から、自分が海に落ちたらお話になりません。
下手をすると、よじ登るところがなくて、溺死してしまいます。
生き餌をなるべく置かない釣具屋さんによって釣りが変わる?
インターネットの普及によって、個人釣具店がドンドン淘汰されました。
多くの釣り人は値の張る竿やリールはネットで購入し、エサや釣り小物しか個人釣具店で買わなくなり、経営が行き詰まつたのです。
しかも生き餌は、売れないとドンドン死んだりして歩留まりが悪いため、好んで置こうとはしません。
モエビなども、水温が上がるとすぐに死んでしまうため、置こうとしない釣具屋さんが増えています。
釣り具メーカーも、釣具店も、管理がラクで手間暇がかからず、値が張るルアーフィッシングに徐々に移行しています。
1個1000円以上するようなルアーを1回の釣行で何個もロストしてくれれば、釣具店やメーカーはホクホク・・です。
これは、エギも同じです。
そして、海の中がルアーやエギの墓場と呼ばれる岩礁地帯もあるようです。
エギング、アジング、メバリング、チニング、ハゼクランク、ショアジギング、サーフからのフラットフィッシュ、岩場でのルアーでのロックフィッシュ狙い・・・などは、凡そ30年ぐらい前は、ほとんど誰もしていなかった釣り方です。
しかしながら、ルアーでの釣り方も、良い面があります。
エサを調達したり、管理する必要がないため、いつでも気軽に釣りに行くことができます。
しかし、自然界では、魚はルアーを食べて成長しているわけではありませんから、いくらテクニックを駆使しても自ずと限界があります。
ベイトフィッシュを追っているフィッシュイーターがいるときは、アジゴなどの生き餌を確保するよりルアーを投げたほうが簡単に大物が釣れることもあります。
エサ釣りとルアー釣りのどちらかに傾くことなく、どちらもできる釣り人になると、釣りも一段と楽しくなるような気がします。
楽天市場での売れ筋のソルトルアーを参考にされてください。
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